投資信託を使った資産運用がオススメな理由

資産を銀行に預けていても、この低金利時代にその資産が増えることはあまり期待できません。

その一方、少子高齢化で日本経済の先行きに懸念材料があり、日本円だけで資産運用するのもリスクがあります。
また、年金制度も揺らいでおり、国や企業が給付額を確定していた制度から、確定された拠出額を個人が運用して老後に備える制度へと変わりつつあります。

このような状況では、誰もが何らかの資産運用を図らなければなりません。
とはいえ、老後資金のためなどの目的では大損を出すわけにもいきません。
初心者が大きな損失を出さずに比較的安心して運用できるものに、投資信託という金融商品があります。

投資信託はどういう仕組みで成り立っている?

投資信託とは、多数の投資家から資金を集めて一つの基金とし、この基金を運用の専門家が運用して、そこから得られた利益を投資家に分配するしくみです。
安定して利益を生み出せるよう、株、債券や不動産などに分散投資しています。

投資信託には、3つの会社がかかわります。
窓口となって投資信託を販売する証券会社などの「販売会社」、運用の指図を行う「運用会社」(投資信託会社)、信託財産を管理する信託銀行などの「管理会社」です。
「運用会社」と「管理会社」は、それぞれ投資を「委託」「受託」しているので、前者を「委託会社」、後者を「受託会社」と呼ぶこともあります。

販売会社は投資信託の募集・販売を行って投資家から資金を集めます。
委託者はその資金を基にファンドを組みます。
受託者はその資金を預かります。
委託者が運用の指図を行い、その指図を基に受託者が資金を証券市場などで投資し、資金の管理を行います。

委託者は、ファンドの目的・特色、投資の方針、リスク、手続・手数料を記載した「目論見書」と、運用実績や運用状況などを記載した「運用報告書」を、販売会社を通じて投資家に交付しなくてはなりません。

投資で得られた利益は、最終的に投資家に分配されます。
投資信託が発売される段階で、分配金を年に何回支払うのか決められています。
ただ、その具体的な金額は今後の運用次第なので明確には分かりません。
過去の分配金の利回りは証券会社のサイトなど、ファンドの詳細について書かれたページを見れば、掲載されています。

分配金の利回りは、銀行の預貯金を上回ることが多いです。
しかし、ファンドの方針で投資家に分配しないこともあります。
それは分配せずにファンドに組み入れた方が複利効果で資産を増やすことができるからです。
こういったことも目論見書に書かれているのでよく確認しておきましょう。

投資信託を購入するとそれぞれに手数料を払います。
購入時に販売会社に購入時手数料を払います。
ただ、これは無料であるノーロード型がふえてきました。
また中途換金時にもコストを負担します。
信託財産留保額と言いますが、これもとらない投資信託があります。
運用中は信託報酬(運用管理手数料)を、3社それぞれの業務に対する手間賃として支払います。
これも、1%を切るような低コストのものが増えてきました。

投資信託のメリットとは?

投資信託のメリットは、分散投資が簡単にできることです。
古来から「卵を一つのかごに盛るな」と言われてきました。
リスクは分散させることで大きな損失を抑えることができるのです。
資産運用は、値動きの異なる対象に分散投資することが基本です。

とはいえ、これを個人で行うには大変な労力がかかります。
株の中でもどれを選んで組み合わせれば分散投資となるのか、株・債券それぞれ購入する方法はどうなっているのか、勉強しなくてはならないことが大量にあります。
また、日本円だけでなく外貨建ての金融商品にも分散投資をしたいところですが、これも初心者には手が出しづらいものです。

投資信託では、運用者が分散投資をすることになっています。
投資家に代わって、国内外のいろいろな資産に分散できるように設計されています。
個人の投資家は、ただ投資信託を買うだけで、広く分散投資が可能となります。
このように、手間がかからない点で、投資信託は投資初心者におすすめの金融商品なのです。

もちろん、分散投資を行うことで「卵を別のかごにいれている」わけですから、リスクが分散されており、長期に安定して資産を運用するのに向いた金融商品です。
老後資金など個人の生活に必要な投資の対象として、おすすめの金融商品です。

また、投資信託のメリットは、少額から投資できる点にもあります。
個々の投資対象への投資は、まとまった金額を必要とするものもあります。
しかし、投資信託では、個々の投資家から資金を集めて巨額の投資資金を得ますから、個々の投資家が負担する資金は非常に少額で済みます。

投資信託の中には、100円というワンコインから購入できる場合もあります。
積立型の場合、積立単位は1円からということもあります。
おおむね、ネット証券であれば扱う金額も少額となります。

また、投資信託は基本的には長期保有が前提の金融商品ですが、中途換金も可能です。
投資家が委託者に直接解約を請求する方法(解約請求)と、販売会社に受益証券を買い取ってもらう(買取請求)方法があります。

投資信託の値段を基準価額と言います。
一般的には、投資信託が組み入れている資産の時価評価を基に算出されます。
公表されるのは1日に1つです。
この基準価額において、投資信託の購入や換金が行われます。
基準価額が購入時より売却時の方が値上がりしていれば、その差額分の利益をえることもできます。

投資信託で大損することはある?

投資の世界に絶対はないとはいえ、投資信託は分散投資を行うことで大損するリスクを極力下げたものです。

特に「バランス型」投資信託と呼ばれるものは、資産クラスで投資先を分散させています。
株、債券、不動産など、それも海外と国内とに分散させています。
これらが、同時に暴落するとは考えづらく、かなり安全な商品です。

「バランス型」以外の投資信託は、分散投資する対象のくくりが細かくなっています。
「株なら株のなかで分散投資」「海外債券なら、新興国と先進国」というようになっています。
その投資対象のくくり全体が暴落すれば、それを対象とする投資信託の価値も大きく下がることはありえます。

例えば、インデックス型投資信託というものがあります。
これは、「日経平均株価」や「TOPIX」といった市場の動きを示す指数に連動した投資を目指す金融商品です。
連動するわけですから、相場が好調ならインデックスファンドも好調で、相場が悪ければインデックスファンドの運用成績も悪化します。

インデックス運用型が一定の指標に連動することを目指すのに対し、その指標以上に高い運用成績鵜を目指すアクティブ運用型ファンドもあります。
高いリターンを得るために、高いリスクの資産を組み入れていることがあるので、運用成績にもぶれ幅が出やすくなります。

また、毎月分配型ファンドと呼ばれるものも、分配金を出すことを優先して元金を取り崩している場合があります。
当然、資産は目減りしていきます。

全ての投資信託が必ずしも利益を出すとは限りません。
投資信託の性格や組み入れている資産によっては損が出ることもあり得ます。
ただし、単独の金融資産で損を出す確率や損失額よりは小さくなるように設計されているものです。
また、信用取引という制度もありませんから、実際の手元資金よりも損失を被るということはありません。

投資信託での損失を避けるには、投資信託自体を分散投資する方法もあります。
「バランス型」「インデックス型」「アクティブ型」の目論見書などを読みこみ、性質の違うものを複数購入すると、リスクを分散できます。

また、基準価額の減少が続き、組み込んでいる資産の値動きから見ても回復が望めないなら、大損する前に解約することも一つの方法です。
投資信託は長期保有が前提で、多少の基準価額の変動に振り回されなくても良いのですが、自分の中で「これ以上の値下がりは許容できない」という基準をもっておけば、大損するという事態を避けることができます。